masaki (bici-okadaman)

2017年5月16日3 分

フィッティングのお話~理論は後からついてくる~

昨晩、SNSでカチューシャチームのイルヌール・ザッカリン選手のバイクを見ながらフィッティングってなんだろなと考えた次第です。
 

 
と、いうことでちょっと書いておかないといけないなぁと。

以前、日本のWEBメディアが一斉に取り上げたアダム・ハンセン選手はともかく、海外プロ選手の多くに「前乗り」派が増えています。これはブームで終わるかもしれません(また元へ戻すと言う意味で)し、戻らなくてフレーム設計が変わるようになるかもしれません。そのくらい今のフレーム設計とはずれています。海外プロの写真を勝手にアップするのはなんなので僕のバイクで代用しますけど・・・(笑)
 


 
シートポストは市販完成車では通常25㎜後ろに下げることができるセットバック25㎜のものが多いですが、この場合はセットバック0mm。
 

 
エアロフレームの都合でできない選手はサドルを一番前にセットしていることですぐに判別できますね。
 

 
ハンドルの突き出し長さを決めるステム長は、背の小さい選手でも130、140と言う長いステムを使っていることが多いです。そして、ハンドルを下げるためにヘッドパーツにかなり工夫をしています。
 

 
ちょっと乱暴ではあるのですが、従来のポジションと違う点はBBからサドルとハンドルの相互位置が前転するように前に行っていること。ハンドル~サドル間の距離はほとんど変化していないでしょう。
 

 
(たぶんシューズ側にもさらに従来と違ったセッティングをしている選手がほとんどでしょう。行きついた先がアダム・ハンセンです)

と、言うことで、選手が独自の理論で今の前乗りポジションにたどり着いたのだろうと推測しているのですが、フィッターが考える「理論」とはちょっと違う意味合いだと思うんですよね。
 

 
選手側がまず取り組むのはたいていは「各論」です。「ここをこう変えてみたらどうなるかな?」それ以外の影響の出ていく部分を順次つぶしていくという形で実践していくのがポイント。
 

 
これをやり出すとフィッティングは1日で終わらなくなります。1つのポジションを変えて「10分乗って効果あったわー」も「長時間乗れないわ」の可能性あります。ライダーは身体的センサーでいけるいけないを瞬時に判断しちゃいますけど・・・たまにやっぱだめだったってありますもんね。
 

 
商業的フィッターはそんな悠長なことを言ってられません。きちんと全体のポジション変化を体系化しないと2時間では終わりません。終わるように総論がまとまっていないといけないんだと思います。各論をつぶしていくやり方をすると元へ戻るということが発生するときがありますし…。

と、言うことでフィッティング理論は今もまだまだ変化中です。
 

 
僕の予想ではハンセンポジション的なフィッティング理論もそのうちきちんと形成できるだろうと予想はしています。
 

 
僕の中ではあるていど道筋がまとまりつつありますが、やっぱり先に実践ありきでした。(やらなきゃわからなかった)
 

 
トライアスロンの前乗りポジションへの移行段階でも使えますし、TTポジションでもOKだと思います。ロードでやる人は今のところはハンドリングに若干の影響があるかなーと思いますが慣れるかどうかはそのライダー次第ですね。ペダリングスキルの問題もあるので、現時点でできる人、しにくい人・・・も将来的にはできるかもしれない。
 

 
フィッティング理論も変化中なのですが、ライダーのスキルや体型・体力も考慮すると1回のフィッティングにしばられてはいけませんね。

・・・話がまとまらなくなりました(笑)。興味のある方はぜひご来店にてお尋ねください。
 

 
明確にここからここまでというフィッティングではないですが。