たまたまなんですが、bici-okadamanで組んだフロントシングルのバイクを2台お預かり中なのでちょっと比較を…。フロントシングルのバイクってその人・使う状況によってギア比を「オーダーメードする」という感覚なのでそれぞれに違うので。
少し以前に組んだものですが、ギア比は42/11-34。 通常のダブルのギア比で近いところを探すと、 42/11=3.81 50/13=3.85 なので、トップギアは一般的なコンパクトドライブで言うとアウター×後ろの3枚目とほぼ一緒になります。 ローギアはインナーギアと比較すると 42/34=1.24 34/28=1.21(34/25=1.36なので2枚目よりは軽い) このバイクは今後中学生が乗ることになるのですが、競技連盟で定められているU17(中3以降~)の指定ギア比はペダル1周に対して7.01m以内であること・・・なので、トップギアのギア比は3.34~3.32前後でしてこれでもまだトップギアは使えないんですね。(40/12をトップギアにすることが求められます) まぁ厳密に競技をやるならば・・・なんですが。なので、「フロント変速を戻しましょうか?」って相談されたのですが、結論は「する必要がないです」と言うことですね(笑)。
こちらは最近組んだバイクで、42/11-40を組み合わせました。 単独で200㎞オーバーを走りに行かれることがほとんどで、平均時速が20㎞/h前後、でも登りの多く長いコースを走られていますので‥。 まず、重いギアが42/11で足りるのか?という話。 3.81というギア比だとケイデンス90回/分で何㎞/hでるか? 3.81×2.1m×90×60分=43.2km/h (単位計算端折ってます) と、なると単独で走る条件ですし、これ以上の速度は・・・基本的には下り坂だけですからペダリングが必要ないですね。 逆に軽いほうはどうなのか? 42/40=1.05 34/32=1.06 今まで乙女ギア?と呼ばれていたギアと同じ軽さを実現しています。 その分、ギアの間が空いてしまっていますが…。すでに1度テストしてみたところでは「フロント変速がないことすら忘れてた(笑)」という感じだったそうです。実はフロントシングルって僕も経験済みですが、「すぐに慣れます」。
ギア比のテーブルを書いてみるとわかるのですが、フロントが2枚、後ろが11枚あるからと言って2×11=22のステップがあるわけではないです。実際には重複している部分が多く、2×11→13~14のステップです。1×11→11ステップはそのままなので差はもともと2~3ステップしかないんですよね。 なので、上のようにギア比制限がある場合は2×11が無駄にしかならないということもありますし、ツーリング用途などで「ほとんど使ってないよ」というギアがあるとステップの差が実質は0になってしまうこともあるので、そういう場合に関してはフロントシングルを勧めていくというわけです。 フロントシングルにおけるメリットは「フロント操作をしなくてよい」と言うことです。フロント変速はかなり複雑な作業で、うまく操作しようとするとフロント×リアの2つの操作が必要になるうえに、脱線幅が大きいのでチェーン落ちがしやすいということがあります。また、フロント変速をする場面は上り坂の最中(平地から登りへの切り替わり)や上り坂から下り坂へ切り替わる最中になるのでスピード変化やペダルにかかる力が不安定で難しい状況なんです。 Sramでは正式に1×11(あるいは12)が用意されていますし、シマノもグラベルコンポーネントGRXを皮切りに1×11がスタートしました。これを機会に検討してみるのはどうですか?(いつでもご相談くださいませ。)
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