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執筆者の写真masaki (bici-okadaman)

前乗りとクリート位置の関係

今日はちょっと雑感から。

この半年間、ロードバイクの方は、「前乗り」ポジションをテストしていました。

同じような写真でないのでちょっとわかりにくいですが、左が現在、右が以前。 サドル位置は25㎜セットバックしていたシートポストを止めてオフセット0のシートポスト+10㎜ほど前にだしています。ハンドル位置は前方に10㎜だけでその分低いポジションにしました(だいたい30mmくらい)。 トライアスロンの前乗りポジションの話で良く出てくるのですが「前転ポジション」と同じようなルールで「サドル・ハンドル」は前に、そして低くなっています。

ここでひとつ情報が隠れているのですが…。 このポジション変更をしたときに、最初にしたことは「クリート位置を後方へずらせるだけずらす」と言うことでした。通常は母指球付近と言われていますが、もともとちょっと後ろ目につけていたものをさらに20mmほど。

この辺がポイントなのですが、僕が考えるに「今の前乗り」は、「クリート位置とセットで考える」ほうがしっくりきます。特にもともと後ろ気味に乗っていた人が違和感なく前乗りに変更する手法としては「先にクリート位置を変更する」→「違和感がある分をサドル位置で調整する」→「ハンドル位置を調整する」と考えるとすんなりいきます。 なぜ、「クリート位置を変更するのか?」「変更した後に気を付けることは?」・・・ なぜ前乗りにしたのかの理由は2つあって、一つはハンドル位置をなるべく低い位置にしたかった。前転ポジション、ひいてはトライアスロンのようなTTポジションに繋がります。こちらは一般的な理由ですね。 もう一つは「クリート位置を調整したらその方が乗りやすい」ということもありました。 それまでのポジションを3点とも前方に移動させただけになるので、クリート位置を調整せずに上の2点を前方に移動させるよりも身体的な平衡感覚のズレが小さくなるメリットがあります。バイクに対する重心位置は前方に移動しますので少しだけバイクの重心位置変化による挙動の違いがでますけどね。(平衡感覚がずれるよりはマシ)

クリート位置を調整する意味合いがこの場合はポイントです(笑)。明確に理由はありますがペダリングの仕方によって合う合わないがでると思います。実際にとあるコーチが某紙面で否定意見を書かれているのを見たこともありますが別の観点からでした。 クリートを後方にするとペダル軸と通常に力点と呼ばれる母指球の軸とはズレが生じます。底が柔らかいシューズであればとても踏みにくい状況だと思いますが、バイクシューズは一般的にソールが堅く変形するわけではありません。そこで軸がずれているのを意識せずにそのまま母指球の軸を意識して踏み込むペダリングはそのまま続けるとします。そうするとクランク長+(ペダル軸~母指球軸)が踏み込む瞬間のてこの長さになる。これを仮想クランク長として使えるよねというのがクリートを後ろにずらす意味合いです。同じ力でもテコの長さが増えればトルクは増大するわけです。さらに、もうひとつ。足首にかかる負担も同じ理由で下がってきます。足首関節からペダル軸までの距離がクリートを後ろにつけることで下がるので踏み込んだ時に踵が下がりにくい。つまりアンクリングの予防にもつながるということが言えます。もちろん、そういうやり方もできると言うことでこれが絶対と言うことではありませんが…。

ちなみに、このポジション変更は純粋にTT向けとも思いますが、僕の場合は上りでも有効でした。斜度変化によって重心がペダルに対して後ろへずれる(すぎる)のを防いでくれます。体重を利してペダルを踏み込みやすいんですよね。 もうひとつは、特に140後半~150㎝前半の小さいフレームでも対応が厳しい方向けとしても裏技的に有効です。むしろ積極的に前乗りになってしまえばトップチューブ長が長すぎて・・・と言う場合にも対応のしようが出てきます。(それでもステム長が短いのでそれほど重心が前に行ってしまうことは無いようです)。

ちなみに、今までのフォーム・ポジションを否定するものでもありません。 こういうやり方もあるので「フィッティングは解が1つではない」と言いたいだけなんです(苦笑)。気分の問題だったり、流行、ちょっとした身体の使い方の違いでどんどん変わっていきます。僕は全体の大まかな部分と、気になった部分の要所要所だけフィッティングさせてもらっています。

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